この海に、まだ知らない自分がいた
伊根で出会った、静かな時間。
どこか遠くへ行きたくなって、辿り着いた伊根町。
海に浮かぶように建つ舟屋たちは、潮の音に溶けるように静かだった。
クルーズ船に乗り込んで、湾をゆっくり進む。
揺れる水面を眺めながら、「この町の人たちは、どんなふうに朝を迎えるんだろう」
なんて、ふと思った。
観光らしい観光をするでもなく、ただ、風に吹かれて、海を見ていた。
そんな時間が、心の奥にじんわりと染み込んでいく。
伊根の海の青さも、町の静けさも、きっとずっと忘れない。